伏見顕正の政経塾

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新台湾論⑥2016年「台湾革命」蔡英文の総統就任

≪2016年「台湾革命」蔡英文の総統就任≫

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2016年1月の総統選で蔡英文女史が、国民党の対抗馬の朱立倫に300万票の大差をつけて圧勝しました。
前回2012年の総統選では現職の馬英九に80万票差で苦杯を飲みました。
★しかも立法議員選挙でも、民進党議席過半数を確保したので、蔡英文総統は自分の政策を通しやすくなるでしょう。
陳水偏総統の時の様な、総統府と立法院(国会)の「ねじれ現象」が解消したのです。
しかも全国主要地方市長選でも民進党が圧勝しました。

  
≪世界最大の「華僑国家」だった中華民国と、世界最大のチャイナタウン「台北」の滅亡≫

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文明史家の黄文雄氏は、この快挙を「世界最大の華僑国家の滅亡だ」と喝破しています。
★元々、国民の88%が台湾人なのに12%の外省人(中国人)が主要な権力を握り、台湾人を支配してきました。
その外省人たちが集住する地域が台北です。
台湾人達が華僑の支配を免れた後、世界で唯一の、華僑国家はシンガポールのみです。
ご存知のようにシンガポールは、客家系華僑のリークワンユーしが国づくりをして、現在の繁栄を築きました。

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しかし、彼の死後は息子のリーシェンロンが世襲し批判されています。

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リークワンユー氏と同じ客家系の著名政治家として、李登輝氏はよく比較されましたが
李登輝氏は「一緒にされたくない」と言う趣旨の発言を著書で述べています。

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蔡英文政権の今後の課題≫

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① 大陸中国との関係は、「現状維持」と明言しています。

「何故、独立と言わないんだ。あんなに応援したのに」と在外台湾人、特に支援した在米台湾人から不満が出ています。

しかし、私は彼女の政策が現状ではベストだと思います。

李登輝総統時代に「大陸中国と台湾は「特殊な国と国の関係」」と定義しています。

例えて言えば「結婚もしていないのに離婚するようなものです」

 

≪台湾の国家的立ち位置はアメリカが決める≫

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★アメリカの世界戦略としては、台湾にやたらと「独立だ」と叫んで中共を刺激してほしくないのです。

オバマ大統領の時に「アメリカは「世界の警察」の座を降りる」と明言しています。

そして「アジアピボット(軸足)」と言って、全世界の米軍戦力の60%をアジアに向けると言っていますが、額面通り受け取っていいのか疑問です。

★少なくとも、現状のアメリカは、中東とアジアの2正面で、同時に軍事作戦を行う力は無くなっています。

 

≪十字軍国家であるアメリカにとってはアジアより「イスラエル」の方が大切≫

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加瀬英明氏によると、先の大戦後、欧州各国では「国民のキリスト教離れが進みましたが、アメリカ人は依然としてキリスト教を篤く信教する人が多い。

従って、アメリカの国際戦略では最優先事項は、「イスラエル」を守ること。周囲が皆、イスラム教の敵国ばかりだから、「中東戦略」が第一になります。

台湾独立を声高に叫んだ陳水扁前総統が失脚したのも黄文雄氏によれば「アメリカに潰された」と言う事です。

 

≪実際の台湾及び台湾海峡有事の際、救えるのは日本の自衛隊のみ≫

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もめにもめた「安保法制」が国会で採択され、機能するようになりました。

★私も台湾に旅行したときに、ホテルのTVチャンネルでNHKが視聴できることを体験しました。

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あの最後は「乱闘状態」になった「安保法制の国会中継」を台湾の人々は徹夜で固唾をのんで見ていたそうです。

★安保法制が成立したら「周辺事態条項」で自衛隊による「台湾及び台湾海峡の防衛」が可能になることを台湾の人達は良く知っていたのです。

 

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台湾海峡は日本にとって絶対に守らなければならない「シーレーン」≫

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大陸から平均150km離れた台湾海峡は、一日400隻以上の船舶が往来します。

産油国ではない日本は、中国軍により、ここを封鎖されたら絶体絶命です。

また、台湾島人民解放軍に占領されたら、確実に次は沖縄、九州となります。

既に海自は「台湾の周辺事態」に備えて、演習を行っています。

 

馬英九の「負の遺産」の「財政赤字」と「経済不振」をどう解決するか?≫

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現在、台湾の財政は「100兆円」の赤字となっています。この原因は何か?

★「年率18%の利回り保証」をした「公務員年金」です。

黄文雄氏は「日本でこの話をしたら、皆から嘘だろう」と言われ誰も信じなかったそうです。

この公務員年金には「軍人、公務員、警察、教師」が全て含まれます。

しかも、軍人以下全ての公務員、教師までみな、「外省人(中国人)」がポストを独占しています。

だから、本省人(台湾人)の反発が強いのです。

黄氏に言わせると「すぐに廃止すると、反乱やクーデターが起きる」と警告しています。

蔡英文自身は「近い将来、4大公務員の年金は維持できなくなる」と明言してプロジェクトチームを結成して

「年金制度の是正案」を検討しています。

黄氏の娘さんはスェーデンで結婚しエンジニアとして働いているそうですが、給料の半分は税金でもっていかれるそうです。

しかし、それだけとられても、スェーデンの「福祉年金」の将来は不透明だそうです。

ちなみに、日本でも既に100歳以上のお年寄りの人口が6万人を超えたとか。

「人類の長寿化」は文明の法則なので、各国とも年金・福祉制度の運用は難しそうです。

★100兆円の赤字は、国債で全て国民が保有しており外債は無い。

この点は日本と同じで国民から金を借りているので、「財政破綻」は無いでしょう。

それにしても台湾はギリシャ以上の「公務員天国」です。

 

≪黄氏が心配する「司法は国民党の用心棒≫

★国民党政治家のスキャンダルはスルーし、かつての野党・民進党の政治家は冤罪で片っ端から逮捕する。

黄氏は、「司法改革は避けて通れないが、そう簡単に改革はできないだろう」と悲観的です。

勿論、司法・検察も、外省人が押さえています。

 

≪それでも、世界一の親日国の台湾と台湾人達≫

日本統治時代に日本語教育を受けた「日本語世代の人々」現在80後半の「日本語族」の人達は、

よく「日本精神(リップンチェンシン)」と言い、自らも実践し、子供の教育にも活用しています。

台湾人が大切に守る「日本精神」とは何か?要は勤勉で実直で、義理堅い。と言う戦前の日本教育エッセンスのようなものです。

今の戦後世代の日本人には耳に痛い項目も有るのではないでしょうか?

「日本語族」の祖父母世代は、息子や娘にも「日本精神」で厳格な教育を行ったそうです。娘に対しても、言う事を聞かないと殴ったりもしたそうです。

★「良き日本人になりたい」と強く念じつつ自らを律しながら、生きてきた「日本語族」の人達は、戦後の自虐史観で教育され在日米軍の保護の元「平和ボケ」した日本の若者たちが「歯がゆくて堪らない」ようです。

「日本精神」を現した、日本語族の実業家の蔡昆燦(さいこんさん)氏は著書の中で、繰り返し「日本人よ胸を張りなさい」と言っています。

 

台湾人に対するここ数年、繰り返し行われているアンケートでは、

① 好きな国はどこか?・・一位は安定の日本です。
② 移住したい国・・・・・・・一位は日本
③ 留学したい国・・・・・・・一は米国ですが、二位は安定の日本です。
④ 観光したい国・・・・・・・一位は安定の日本です。

高校生の「選択必修外国語=第二外国語」はやはり、超安定の日本語です。

黄文雄氏が、家族連れで日本に観光に来た台湾の知人に対して、「何で物価の高い日本なんかに来るの?東南アジアの方が余程費用も安いだろうに」と聞くと

友人は「嫌、子供の教育には日本の方が良いから」がよく聞く答えだそうです。

 

台湾総督府には日本統治時代の歴代総督の肖像画が現在も飾られている≫

黄氏が知人のインド人政治家を台湾に招き、台湾総統府を案内したところ、この事実に驚かされたそうです。

インドは勿論、イギリスの植民地時代のインド総督の肖像などは、独立後は皆外したそうです。

★韓国は、20世紀最高の建築物であった朝鮮総督府のビルを爆破、破壊してしまいました。

 

≪日本の「地域医療」を支える在日台湾人医師達≫

日本全国の「無医村」に約千人の台湾人医師がいるそうです。

まさに「医は仁術」ですね。こう言った地味な貢献にも私たちは感謝すべきだと思います。

「参考文献」

黄文雄・・・親日派蔡英文;宝島社

      蔡英文が日本を変える;海竜社

加瀬英明・・日本と台湾;祥伝社新書

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