伏見顕正の政経塾

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【小説】小泉構造汚職⑥郵政捏造選挙『日本人の耳目言論を封じるべし』

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【2005年8月、日本史に汚点を残す郵政捏造(ねつぞう)選挙の作戦本部が置かれた日本経団連ビル】

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2005年8月10日

正午 ホテルニューオータニ

 

東京、赤坂、ホテル・ニューオータニ、最上階スィートルーム

一人のアメリカ人の男が、直立不動の姿勢で、受話器を取って、心持ち小声だが早口で話していた。

男は、米国国務副長官で、ブッシュ選対顧問団の団長として乗り込んで来ているロバート・ゼーリックであった。

電話の相手は、どうも彼の上司らしかった。
傲岸不遜で2m近い大男のゼーリックが、如何にも緊張して、時折、ハンケチで額の汗をぬぐいながら喋っていた。

相手は上司も上司、時の米国大統領のジョージ・ブッシュであった。

ゼーリックは郵政解散後の衆議院選挙工作の進捗状況をブッシュに報告していた。

ゼ「考えられる手はすべて打ちました。マスメディア対策も万全です。財界は全て経団連会長の奥田とオリックスの宮内がまとめると言っています。視聴率に影響の大きいMCや政治評論家には、金を握らせて協力を約束させています。」

ブッシュ「お前は詰めが甘い(笑)最後の詰めが抜けている(怒)」

ゼ「え?最後の詰めって?」

ブ「例のやつだよ(笑)」

ゼーリックは一瞬絶句した。

ゼ「本当にそこまでやらせるんですか?」

ブ「勝負事は最後の詰め!ダメ押しが不可欠だ!!」

ゼ「でも、フロリダの時はあなたの弟さんが仕切ってたから・・・日本はシステムが違うんですよ・・・」

ゼーリックは必死に抵抗していた。

ブ「ゼーリック、今度しくじったら、国務副長官更迭だからな(笑)このドジが!可愛いコンディ(国務長官コンドリーザ・ライス)を怒らせやがって。夕べもベッドの中で、コンディのやつ、お前の首を切れ、切れって、なだめるのに大変だったんだぞ(笑)」

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ゼーリックは、瞬時に固まった。

ゼ「え?今そばにコンディが居るんですか?」

ブ「さあね(笑)いずれにせよ、今度しくじったら、お前はおれの眼の黒いうちは政府ポストには一切就任させないからな。それじゃ、吉報を待つ」

ゼ「イエス!ミスタープレジデント(了解しました、大統領閣下)」

受話器を置いて、ゼーリックは床にへたり込んだ。
額から冷汗が滝のように流れ落ちてきた。

「フロリダ・ダイス(フロリダのいかさま博打)か・・・・」

 

同日夜

東京、大手町、日本経団連ビル、会長応接室
日米ともメンバーは同じ

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ゼ「今日は、諸君らに新しい作戦指示を与えるOperation Enola Gay(エノラ・ゲイ作戦)だ」

日を追うにつれ、作戦名は、ブッシュとブッシュ選対顧問団の意図を露骨に表わすものになってきた。

ゼ「飯島!お前が今日から、日本中の新聞、TV、全てのマスメディアを事前チェックしてコントロールするのだ!!」

飯「具体的にどうするんですか?」

ゼ「明日から毎日、選挙が終わるまで、5代全国新聞、朝日、読売、毎日、日経、産経の朝刊と夕刊を印刷する前に、ゲラを小泉事務所にFAXを入れさせて、チェック、検閲するのだ!そして、お前がOKするまで、朝刊も、夕刊も絶対印刷させるな!!」

飯「何をチェックするんですか?」

ゼ「一面の選挙関連の大見出しだけでよい。その際に、選挙戦初期は①本誌独自調査、自民優勢、選挙戦中盤②自民過半数の勢い、選挙戦終盤は③自民圧勝確実、この三パターンの見出し以外は使わせるな!!」

飯「了解しました」

ゼ「次はTV報道コントロールだ!お前は明日から、毎日、午前4時の放送開始から、深夜の放送終了まで、NHKと民放キー局5局のニュース、ワイドショー、トークショーを全てチェックして、自公与党に不利な発言をしていないか検閲するのだ。もし、自民党に不利な番組進行をしていたら、即、局の幹部に電話して番組進行を止めさせろ!!飯島~お前明日から、寝てる暇なんか無いからな~(笑)」

飯「無理だよ~俺死んじゃうよ~」

小泉「世耕(世耕弘成(せこうひろしげ)自民党参議院議員、広報担当)をサブにつけるから、やってくれ」

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ゼ「次は小泉だ!お前は今回の選挙演説で、ここに書いているフレーズ以外は喋るな」そう言うと、一枚のペーパーを乱暴に投げて渡した。

ペーパーには、日本語が分かるスタッフに書かせたのか、黒マジックで大きな文字で
① 官から民へ
大きな政府から、小さな政府へ
古い自民党から、新しい自民党

と書いてあった。

ゼ「間違っても、郵政4分社化なんて言うんじゃないぞ!!」

小「え?4分社化って何?」

一瞬座が凍りついた。
その瞬間、竹中が叫んだ

竹「アチャー、僕はちゃんと、総理に何回もレクチャーしましたからね、僕は悪くありません。」

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ゼ「いいんだ(笑)理解してなくてほっとしたよ。それから、小泉、お前TVの討論会で間違っても民主党代表の岡田克也と討論するなよ!絶対勝てないからな!!」

微に入り、細をうがった憎らしいほど緻密かつ周到なゼーリックの郵政選挙戦略だった。

そしてこの恥知らずのアメリカの手下どもは、早速、ゼーリックの指示通り忠実に動き出した。

 

その翌日、TBSの、みのもんたの朝ズバ!の政党討論会に、国民新党副代表に就任したエコノミスト紺谷典子が党を代表して出演した。

 

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最初は当然、他の党の代表と一緒にゲスト席に座っていたが、CMの間に、コメンテーター席に移動させられていた。

納得のいかない紺谷が、みのに食い下がると、みのは顔をしかめて
「紺谷さん!これから発言する時は、私が振ってからにしてください。」

と発言を遮った。

 

夜の某局での各党党首討論会は、当初、民主党代表の岡田克也が1対1の討論を申し込んでいたが、小泉は避けて、各党全員での討論会に切り替えた。

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小泉は、討論会では、岡田を無視して、国民新党代表の綿貫民輔にからみ
「私と、綿貫さんは自民党時代から、派閥は違ったけれども、何回もカラオケに行き、一緒に歌い飲んだ仲だったのに、いや~政治って本当に非情ですね~」

とお茶らけを言って煙に巻いた。

国民はいつの間にか、今度の衆議院選挙は郵政民営化を問う為の選挙であることをすっかり忘れさせられてしまっていた。

日に日に、出自の怪しい刺客候補が次々と擁立され、マスメディアは、新顔の刺客と造反組とレッテルを貼られた愛国議員との戦いを面白おかしく囃し立てた。

デフレ不況の中にも、小泉政治に飽きていた国民に、刺激的で斬新なエンターテイメントが提供されたのだ。

 

2005年8月、日本人の運命を決めた選挙戦は火ぶたを切って開始された。

グァムの米軍基地を飛び立った、爆撃機編隊エノラ・ゲイの亡霊は、60年前の原爆ではなく、東京、大阪、京都、名古屋、福岡等、日本の大都市の上空から、空が真っ暗になるほど大量の米ドル札の束を投下した。

幸い死人こそ出なかったが、頭に当たった者は、正常な判断力を失い、目に当たった者は、目の前で繰り広げられているねつ造選挙の真実が見えなくなった。

耳に当たった者は、投票する際の、良心の叫びが聞こえなくなったのだ。

・・・・・続く

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