伏見顕正の政経塾

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【小説】小泉構造汚職④ブッシュ顧問団『マスコミを制圧せよ』

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郵政民営化での直接の利権享受者のゴールドマンサックスCEO、ヘンリーポールソン、郵政民営化実現の功績を評価されてブッシュ政権の財務長官まで上り詰めた】


西川「2005年7月31日Battle of Okinawa(沖縄戦)って何だ?だんだん、露骨になってくるな~」

持山「ああ、これね、ブッシュ選対顧問団がいよいよ衆議院選挙の準備を指示した時のミーティングですよ。」

 

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2005年7月31日、夜
東京、大手町、日本経団連ビル、会長応接室
ほんの数日前梅雨明け宣言をした関東は、判で押したように、うだる様な熱帯夜となっていた。

会議用の円卓には、5人の日本人が相手方の登場を待たされていた。

小泉純一郎総理、竹中平蔵郵政担当大臣、飯島勲総理秘書官、奥田碩(ひろし)日本経団連会長、宮内義彦オリックス会長、

5人は、まるで、校則違反がばれて、職員室に呼び出された不良高校生のように憮然とした表情で待っていた。

すると、外の廊下から、英語の雑談と哄笑が響いて、ゼーリック、ポールソン、フェルドマン以下のブッシュ選対顧問団が入ってきた。

日本側を30分以上待たせたことに対する詫びは一切なく、ゼーリックは開口一番

「さあ、今日からいよいよ選挙準備だ!のんびりしている暇はないからな!!」
といつもの威圧的な口調で口火を切った。

小泉「おい!ちょっと待ってくれ!参院での審議は始まったばかりなんだ。今のところ目立った動きはないし、郵政民営化法案は可決されるかもしれないんだぞ!なあ、飯島」

飯島「はい、今のところ目立った造反の動きはありません。」

ゼ「甘いね(笑)」

ゼーリックは鼻先でせせら笑った。

「小泉、お前、去年、何人かの先輩政治家の恨みを買ってるだろ?」

小「恨み?去年?う~ん・・・ああ、そう言えば、中曽根元総理宮沢元総理に政界引退してもらったけど、それかな?」

ゼ「もう一つヒントをやろう(笑)郵政民営化に徹底抗戦している亀井静香の元ボスは誰だ?」

小「亀井の元派閥の親分は中曽根元総理だけど・・・もう引退して議席はないんだけどな~・・・ああ!!わかった、中曽根の息子の参議院議員中曽根弘文か~」

ゼ「やっと、わかったか(笑)手間のかかる男だな、お前も。我々が入手した情報では、参院での採決の際に、中曽根弘文(注;現在の麻生内閣外務大臣)が民営化に反対を表明して、造反組の核となるらしいと言う情報が入っているんだ。衆院で無理強いして、かろうじて5票差で可決させたけど、今その怨念は参院で充満している。誰か一人大臣経験者のベテラン議員が反対を表明すれば、反小泉の怨念は一気にその男を触媒として広がるぞ!!」

中曽根弘文は父の康弘とは違い、どちらかと言えば、寡黙で地味な男であった為、小泉としても全くノーマークであった。

ゼ「おい!飯島!お前この程度の情報も集められないでよく、総理秘書官が務まるな(笑)」

ゼーリックに睨みつけられて、海坊主のような強面の飯島も一瞬顔が強張った。

ゼ「中曽根造反が現実になれば、郵政民営化法案は95%以上の確率で参院で否決される。だから、今日からは衆議院選挙に向けての準備に入るのだ!わかったか!!」

小泉以下、日本側はゼーリックらブッシュ選対顧問団の情報収集能力に舌を巻いた。

7月1日の第一回ミーティング以来、選対顧問団は主を押しのけて、この日本経団連ビルに公然と居座っていた。

その間もゼーリックは、日々体を休める暇もなく、シーファー駐日大使と会って情報交換したり、親米派財界人と会い、情報収集と政局分析に余念がなかった。

しかも、今回の2回目のミーティングの間にも何回もワシントンに帰って、ブッシュに郵政民営化法案の国会での審議の状況を事細かに逐一報告していた。

ゼーリックの自信満々の政局に対する読みは、このような桁違いの情報収集力と、ジャパノロジスト(日本学者)と呼ばれるアメリカの日本学研究学者によるシミュレーションを総動員したものであった。

驚くなかれ、何と、ゼーリックらは参院での票読みすら独自で行っていたのだ。

ゼ「恐らく賛成110票、反対123票で否決されるよ。いいか!参院造反組にもちゃんと制裁を加えるんだぞ!わかったな!!」

確信的に言い切るゼーリックに日本側は舌を巻いた。

ここからは、自己顕示欲の強いゼーリックの独演会となった。

ゼ「いいか!君たち!先の第二次世界大戦で、何故君たち日本はわれわれアメリカ合衆国に敗れたかわかるか?私の思うところ、旧日本軍の兵士は世界最強だった。あのニューギニアのジャングルで、泥水を飲み、雑草を食べながら、3週間以上も米軍と戦った。しかし、その兵士として世界最強の日本軍を抑えて我々米国はなぜ勝利を収めえたのか?巷間言われる物量の差だろうか?いや違う!それは、戦略と情報収集、情勢分析においてことごとく我々が日本軍を上回ったからだ。」

負けたのも事実、そして、日米の力関係は今現在も対等とは言い難い。

愛国者ならまだしも、愛国心のかけらもない小泉や、竹中は、ひたすら米国の総合力にひれ伏すだけで、反発すら感じなかった。

実際、8日後の8月8日、参院では、ゼーリックの読み通り、中曽根弘文郵政民営化に反対を表明し、彼を核とした造反勢力の結集で、賛成108票、反対125票の17票差で否決された。

知能に自信のない小泉は、ゼーリックの政局の読みに舌を巻き、完全にブッシュ選対顧問団に洗脳された。

竹中、奥田、宮内、飯島らも同じである。

ゼーリックは小泉に対する飴も忘れなかった。

ゼ「いいか小泉、今度の選挙では、必ず俺たちアメリカがお前を勝たせてやる。そうすれば、お前はもはや、落ちこぼれ、能無し政治家だった過去を葬れるんだ。選挙に勝利して、在任期間も5年を超えれば、中曽根を超えて戦後第三位の在任記録を持つ大宰相となれる。未だに、揶揄される、慶応大学時代のレイプ事件も、皆、怖くて触れなくなるだろう。俺たちの振り付け通りに踊れば良いだけさ。悪い話じゃないだろう(笑)」

小「エヘッ」
小泉は餌を目の前にぶら下げられた犬のように本能的に喜びを言葉で表現した。

ゼ「さて、これからは、やっと本題に入るぞ~選挙戦略はイコール対マスメディア戦略だからな。それじゃあ、大新聞から行くか。朝日、読売、日経、毎日、産経と・・・ミスター奥田、君はどう考えてるんだ?」

奥「はい、わがトヨタ自動車は年間800億円の日本一の広告宣伝費を使ってますから、出稿取り下げるぞ!と圧力を加えれば、先ず一定の効果はあります。」

ゼ「ふ~ん・・・フェルドマン、お前のリサーチ結果を教えてやれよ」

フ「先ず、組みしやすい新聞社から行くと、日経は元々“株屋”の新聞です。愛国心も何もない。東証の株価さえ上がれば良い新聞ですから、郵政を民営化して株式を上場する話には、先ず100%反対することはないでしょう。次に読売、巨人戦の視聴率が下がる中で公明党創価学会の広報誌の“聖教新聞”の印刷代収入が大きな収入源となっています。これを巡っては、名古屋で中日新聞と激しいバトルを繰り広げているぐらいですから、政権与党の自公批判はできないでしょう。毎日新聞は、例の“西山太吉事件”で一度倒産してからは、政治権力の前に屈伏してますから、大したことはないでしょう。気骨のある記者は岩見隆夫ぐらいで、後は、OBの三宅久之にせよ、岸井成格にせよ、強いほうに、金をくれるほうになびくと言う電波芸者ですから、郵政解散選挙についても政府批判の論陣を張る心配な無いと思います。産経は、元々、行革推進の論調ですから、郵政民営化に対しては反対の論陣を張るとは思えません。問題は朝日ですね・・・」


ゼ「う~ん・・・名うての左傾新聞だし、煩いOBや文化人を多数抱えているからな~ミスター奥田はどう思う?」

奥「難しいとは思いますが、経団連会長の私からのお願いという形で、広告費もブラフにしながら、硬軟両様で交渉してみましょう。」

ゼ「小泉!例の読売の記者は黙らせたのか?」

小「はい!稲川会に指示して始末させました。週刊誌も報道してましたよ。」

ゼ「そうか、朝日も28年前の阪神支局襲撃事件を連想してビビってくれるといいがな(笑)」

小「あの事件も、あんたたちがやったのか?」

ゼ「余計なことを聞かんでよろしい(怒)次はTV局だ。NHK、日本テレビテレビ朝日、TBS,テレビ東京が主なところだな。ここからが重要だぞ。各局の編集方針、視聴率、世論に強い影響を与えるワイドショー、トーク番組、ニュース番組も関係してくる。フェルドマン、どうなんだ?」

フ「日テレは親会社が読売で、テレ東も日経なので、この2局はまず問題ないと思います。それと、テレ朝ですが、視聴率の高いニュース番組のサンデー・プロジェクトのMCの田原総一郎なんですが、こいつはもう問題ないと聞いていますけど・・・」

ゼ「持山!田原にはもう金は渡してあるんだろ?」

持「はい!既に工作資金の5億円を渡してあります。もう年初から、張り切ってサンプロの番組内で、郵政民営化が成功するように世論誘導してくれてますよ(笑)」

ゼ「そうか、じゃあ、テレ朝上層部も、看板番組の方針と逆の編集方針はできないから、恐らくテレ朝は大丈夫だろうな・・・」

持「私もそう確信しています。」

フ「TBSは日曜朝8時から、サンデーモーニングと言うニュース解説番組をやっています。MCの関口宏は批判精神の旺盛な男で、番組も保守的で硬派で政府には批判的です。ただ、一定の知識階級に好まれる番組で、“B層”は見ないので心配はないと思います。」

ゼ「“B層”については、後で説明するから、続けてくれ!」

フ「テレ朝はもうひとつ、ウィークデーに毎晩夜10時から1時間のニュース番組の“報道ステーション”と言うのをやってます。MCの古舘伊知郎はプロレス中継専門のフリーアナウンサーで、本人も認めている通り、頭は悪いです。従って、批判精神に満ちた報道と言うのは能力的にできません。“ニュースをプロレス中継している”と言う悪口もあるほどです。しかし、番組が一定の視聴率を握っているのは、前任者の名MCの久米宏ニュースステーションが25年間続いた凄い人気番組で、その頃、夜10時になるとチャンネルをテレ朝に合わせる習慣が視聴者についてしまっているからだそうです。」

ゼ「そうか、低能MCなら問題はないな(笑)ただ、われわれが唯一気になっているMCがいる。その久米宏だが、今は何をしてるんだ?」

奥「2004年3月いっぱいで、ニュースステーションを降板して、番組も終了、現在は充電中と聞いています。」

ゼ「どこかのTV局で、MCをやってるのか?」

奥「いえ、今現在はどこのTV局にも番組はもっていません。」

ゼ「そうか、そりゃあ良かった・・・情報を分析すると日本の“ウォルター・クロンカイト”みたいな奴だからな~もし、現役バリバリだったら手ごわい奴だとマークしていたんだ。」

(注)ウォルター・クロンカイト;リベラルかつ公正な精神から「アメリカの良心」と尊敬されたジャーナリスト、長くCBSイブニングニュースのMC、アンカーマンを務めた。

 

1968年、泥沼の続く、ベトナム戦争を継続する政府を批判し、クロンカイトの国民に対する影響力から、時の大統領のリンドン・ジョンソンは退陣に追い込まれた。

日本の、田原総一郎三宅久之岸井成格とはあらゆる意味において対極に位置する良心派ジャーナリストである。

ゼ「久米に、“この選挙は茶番です”なんて言われたら、国民の風向きが変わるかもしれないからな~。あ!そうだ、フェルドマン、あのペーパーを皆に配ってくれ!」

フェルドマンが配布したペーパーを読んで一同は首をかしげた。

 

★今回の衆議院選挙の選挙戦略は、“B層”の票を徹底的に取り込むことにある。

Stratum B;B層とは、知能程度、教養の程度が低く、情緒、周囲の雰囲気に流され、物事を自分の頭で主体的に考えることができず、マスメディアの論調に行動を左右される人間を言う。主に、女性、主婦、老人等

 

ゼ「いいか!今度の衆議院選挙は、そこに書いているように“B層”の徹底的な取り込みに特化した選挙戦略を取る。国民は郵政民営化なんてどうでもいいんだよ。元々、アメリカが得するように設計したアメリカのための郵政民営化法案なんだから!解散理由は民営化是か非かでも、選挙の争点は別のところに持って行くから(笑)」

日本側は、未だキツネにつままれたような顔をしていた。

ゼ「小泉!お前は“B層”だよな(笑)」
ゼーリックは、時折、小泉をいじって遊んだが、今回も意地悪そうな笑いを浮かべて
小泉をからかった。

小泉は、なんとなく、馬鹿にされたことは理解できて、唇をかんだ。

ゼ「よし!OK!詳細は次回のミーティングでやろう。」
・・・・・・・

西川「それにしても、ゼーリック達は緻密にして用意周到だな~」

持「小泉さんは楽ですよ(笑)自分は頭を全く使わずに、全て連中の振り付け通り踊るだけですからね。報酬もらいすぎ!」

 

つづく