伏見顕正の政経塾

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【小説】小泉構造汚職③ブッシュ顧問団『議会を制圧せよ』

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郵政民営化法案をアメリカの国益に最大限貢献するように一字一句ゼロから設計し、2005年の郵政選挙を実質的にコントロールしたロバート・ゼーリック(右)】

メモをめくる西川の表情から徐々に血の気が引いて行くのがわかった。

 

西「おい!このBombing on Tokyo 2005(2005年東京大空襲)って何だ?」

持「ああ、東京大空襲ね。衆参両議院工作のためのブッシュ選対顧問団の来日ですよ」

 

目論見どおり、小泉―竹中に自民党総務会の抵抗を、6月28日に掟破りの多数決強行採決で突破させたブッシュ政権は、早くもその3日後の7月1日に、満を持して「ブッシュ選対顧問団」を来日させた。

メンバーは、ロバート・ゼーリック(前米国USTR(通商代表部)代表)、ヘンリー・ポールソン(ゴールドマンサックスCEO、後の財務長官)アラン・フェルドマン(モルガンスタンレー証券チーフエコノミスト)等を中心とした全て米国政財界人で構成される総勢15名の対日議会工作専門チームである。

直近まで、対日年次改善要望書を作成する役所、USTRのトップだったゼーリックは目立たぬように、USTRの代表を辞任させ、巧妙にも一財界人という肩書となっていた。

トップの三人は肩書はいずれも、財界人であり、表向きの来日理由は「日本経団連への表敬訪問」となっていたから、マスコミは彼らの来日に何ら興味を示さず、その驚くべき来日目的を詮索すらしなかった。

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2005年7月1日 

夜 経団連ビル
東京、大手町、日本経団連ビル、会長応接室。
梅雨の合間とはいえ、東京は既に熱帯夜の蒸し暑い夜であった。

日米政府高官、財界人による極秘のミーティングが開かれていた。

出席者;日本側;小泉純一郎竹中平蔵飯島勲奥田硯(ひろし)、宮内義彦
米国側;ロバート・ゼーリック、ヘンリー・ポールソン、アラン・フェルドマン、持山昌典。

重苦しい雰囲気の中、対日議会工作チームのヘッドのゼーリックが口火を切った。

ゼ「6月28日に硫黄島守備隊(自民党総務会)は何とか全滅させたらしいが、郵政民営化法案の衆参両議院での成立の見通しはどうだ?」

郵政民営化を成立させた米国側の立役者のゼーリックは、その功績をブッシュに認められて、その直後に世界銀行総裁に就任した。

祖父の代からのドイツ系移民の出身で、頭脳明晰、出世のためには手段を選ばぬ冷酷非情な男で、蔭では「ブレーメンの墓掘り人」と言うあだ名で呼ばれていた。

傲岸かつ横柄な性格で、日本国の首相、小泉に対しても全くもって部下に接するような態度であった。

小泉「ああ~票読みは、飯島にさせてるから・・おい!どうなんだ」

飯島「衆議院は僅差で成立の見込みです。参議院も反対派のリーダー的な存在の議員がいないので、余程の番狂わせがなければ法案通過の見通しです。」

ゼ「甘いな~俺たちの見通しとは違う!おい!あのペーパーを見せてやれ」
ゼーリックは厳しい表情で、フェルドマンに指示した。

ペーパーを出席者に配らせたあと、フェルドマンが淡々と説明を始めた。

フ「小泉の支持率は、日本のマスメディア発表の数字より実態は相当落ち込んでいる。
その理由は


① 2001年の就任時は新鮮さで迎えられた小泉政権に対して国民は飽き始めている。


② 小泉の人間性を露呈する国会答弁(1)これくらいの公約が守れなくたってどうってことはない(2)人生いろいろ、会社もいろいろ(3)どこが非戦闘地域でどこが戦闘地域かなんて私がわかるわけないでしょう。に対して、国民の間で不信感が高まっている。


③ まともな説明もなく、米国に追随して強引にすすめたイラク派兵に対して、政権に対する不信感も高まっている。

 

従って我々、対日議会工作チームの見解は、郵政民営化法案の議会通過見通しは
(1) 衆議院は微妙(2)参議院は全く不透明、今国会中の成立の可能性は50%以下と見ている。」

すべて、思い当たる節があるとはいえ、遠慮なしのストレートな指摘に小泉は唇をかんだ。

ゼ「もし、今国会で法案を成立させられなかったら、どうするつもりなんだ?」

小泉「成立させられなかったら、俺は退陣する!!」

ゼ「退陣すれば済むと思っているのか?」

ポールソンがにたにた薄ら笑いを浮かべながら追及を始めた。

ポ「2004年の12月に、持山から渡された、君たち三人の巨額の報酬をどうするつもりなんだ?仕事もせずに退陣したら、密約と巨額報酬の件をマスコミにばらすぞ(怒)」

日本側はポールソンの恫喝に、凍りつき言葉を失った。

ゼ「お前みたいに、党内基盤も何もない総理大臣を今までだれが支えてやったと思ってるんだ(怒)」

 

恫喝しながら、ゼーリックはおもむろに、背広の内ポケットからメモを取り出した。

ゼ「わがチームの直近の調査では、万が一、衆議院は通過しても、参議院は80%以上の確率で否決されるという結果が出ている。」

小泉「そんなことはない!参院経世会青木幹雄さんが仕切ってくれている。」

ゼ「青木の参院支配力に陰りが見え始めているんだよ(笑)」

ポ「参院で否決されて、継続審議だとか、次期国会でとか、チンタラ待ってる暇は、ブッシュにも俺たちにもないんだ(笑)」

ゼ「素直に我々チームの指示通りやってくれ、おい!あのぺーパーを配布しろ!」

支持されてフェルドマンは、A4判一枚のシンプルなメモを日本側全員に手渡した。

小泉以下日本側出席者は、メモを読んで一瞬息をのんだ。


対日作戦命令1号;

作戦名: Bombing of Tokyo in2005(2005年東京大空襲)

郵政民営化法案の衆議院の採決結果に拘わらず、参議院で同法案が否決された場合は
即座に、衆議院を解散して、総選挙を実施すること。


衆議院で法案に反対票を投じた自民党議員には、公認を与えずに、選挙資金面で圧力をかけると同時に、党公認の対立候補を立候補させて、必ず落選に追い込むこと。


衆議院選挙の投開票日は必ず9月中旬より前に設定すること。

 

小泉「衆院で可決できればもういいじゃないか?何故参院で否決されても衆院を解散しなければならないんだ?」

ゼーリックは薄ら笑いを浮かべながら

「30年前の“三木おろし”のように、お前は次期国会開催前に総理の座から引きずり降ろされるよ(笑)それに、既に我々の密約を一部の全国紙の新聞記者やフリーライター等が嗅ぎつけているという由々しき情報もある。悠長に時間をかけてる暇はないんだよ。」

小泉「参院で否決されて、可決された衆院を解散するなんて前例がないんじゃないのか?」

ゼ「心配しなくてよい。我々が事前に調査した結果では、前例が無いが、現職総理は解散権はある。やってやれないことはない。後々、解散権の濫用で裁判でも起こされたら微妙だが、わざわざ裁判を起こす暇人はいまい。」

小泉「“投開票日は必ず9月中旬より前に設定する”って何故なの?」

ゼ「おまえは本当に頭が悪いな~(笑)郵政民営化は、非効率な地方や過疎地を切り捨てるのが重要な目的なんだ。だから、9月中旬って地方はどういう時期なんだ?」

小泉「農村は稲刈りの真っ最中だな」

ゼ「やっとわかったか(笑)我々の統計調査では、日本全体のコメの収穫作業の85%以上が9月の中旬に集中しているんだ。法案の目的も、頑強に抵抗している議員達、亀井や綿貫や平沼達は皆、地方の農村部が選挙区じゃないか。稲刈り作業と選挙時期をバッティングさせれば、連中の後援会もフルには動けまい(笑)」

小泉「なるほど・・・・しかし、去年の7月に参議員選挙をやったばかりで党には今は金がない・・・・」

ゼ「ミスター奥田と宮内はどうなんだ?」

奥田「日本経団連は全力を挙げて、小泉政権を支えます!!」

ポ「選挙資金はどれくらい出せるんだ?」

奥田「会長権限で会員企業に目一杯プレッシャーをかけて、2000億円は用立てたいと思います。それと、私が会長を務めるトヨタ自動車からも何とか1000億円は準備したい」

宮内「オリックスも一企業として法に触れる限界まで選挙資金を出したいと思っている。」

そこに突然竹中が口をはさんだ。

竹中「私もミサワホームに指示して、選挙資金を出させます。」

ポ「ミサワホーム?」

竹中「昨年、奥田さんと組んで、創業者一族を追放して、私の実の兄貴の宣夫を社長にしましたから、自由がきくんですよ(笑)」

ポ「再建途中の破綻企業じゃないのか?」

竹中「産業再生機構から、まとまった再建資金が入ってますから、それを横流しさせますよ(笑)」

ゼ「ほとんど、犯罪だが、良い心がけじゃないか(笑)奥田、宮内、竹中で、少なくとも5000億円の選挙資金は捻出できるな。俺たちのシナリオでは、実際解散総選挙となると、それでも不十分だが、われわれも金は出すから選挙資金のことは気にするな(笑)3人の総額以上は準備できる。」

小泉「本当か?それは有難い!!」

ゼ「なに、郵政民営化が実現すれば、日本の個人金融資産の1400兆円は我々のものになるんだから、安い投資だよ(笑)ところで、参院で否決された後に、いきなり、衆院解散では、国民もびっくりするだろうから、もうそろそろ、衆院の解散をTVやニュースで匂わせとけよ」

小泉「わかった・・・」

ゼ「今回の郵政民営化にあたっての日米密約について、相当高度な情報を握っていると思われる、新聞記者やフリーライターたち、こいつらの口ぐらい、ミスター小泉、お前が自分で口をふさげよ!黙らせるんだ!!」

ゼーリックは1枚のメモを乱暴に小泉の前に放り投げた。

そこには、読売新聞記者、日経新聞記者他、気鋭のフリーライターの氏名が数名書かれていた。

小泉「わかった。こいつらは、私の選対委員長で現役稲川会構成員の竹内清(元神奈川県議会議長)から稲川会に話をして始末させる!」

ゼ「なあミスター小泉よ、ブッシュも俺たちもお前の頭脳には全く期待してないから、兎に角、俺たちの作ったシナリオに合わせて素直に踊ってくれよ(笑)そうすれば、必ず郵政民営化は実現するから」

ブッシュ選対顧問団の指示通り、郵政民営化法案が参院で審議が始まった7月13日以降、小泉は、会見を行い、法案が参院で否決された場合は、民意を問うために衆院を解散することを匂わせ始めた。

小泉は何かを思いつめたような表情で
郵政民営化法案について、激しい反対運動が今党内で起きていますが、これは、私に対する倒閣運動です。もし、法案が参院で否決された場合は、衆院を解散して民意を問いたいと思います。・・・・」

国民にとっては全く不必要な郵政民営化自民党内で、はたまた国会で何を揉めているのかさっぱりわからない国民にとっては、小泉の深刻な表情は、自民党内で主流派から苛めにあっている党内基盤のない哀れな総理が国民に助けを求めているように印象付けられた。

小泉は、毎日のNHKの7時のニュースのぶら下がり会見で、判で押したように同じことを訴えた。

そのパフォーマンスが、多数派からのいじめに耐えて耐えて最後に立ち上がる、任侠映画の高倉健のイメージとダブるようなメッセージで国民を錯覚させた。

年初から、8カ月にも及ぶ郵政民営化をめぐる政治のゴタゴタ、空白に退屈をかこっていた国民は一斉に郵政政局の話題に飛びついた。

しかし、これも、全て、ゼーリック以下、ブッシュ選対顧問団の振り付け通りであった。

 

そして、郵政民営化を取材していた読売新聞記者A氏が不可解な自殺を遂げたことが、一部週刊誌で報じられた。

現場検証した警察の報告によると、SMプレイ中の事故死もしくは自殺と断定され、他殺の線は一切問題にされなかった。

 

当時、小泉の筆頭秘書官は、警察省出身のキャリア官僚で、このときの選挙で当選したチルドレンの一人の小野次郎だが、彼の秘書官になる直前のポストが、警察庁の組織暴力団対策本部長であった。

小野が「小泉総理の意向だから」と言って、警察の現場に圧力をかけて、捜査を打ち切らせるのは常識で考えていとも簡単なことであろう。

総理が、国民に真実を伝えようとする新聞記者を、稲川会のヤクザに命令して殺害させ、その事件を、事件性無しとして、警察キャリア出身の筆頭秘書官が捜査を打ち切らせ、闇に葬る、見事な連係プレーである。

ちなみに、小野次郎は、昨日の小泉の麻生内閣倒閣発言後、他のチルドレン達が、定額給付金衆院での再可決時には賛成票を投じることを言明している中で、小野一人だけは、未だに造反を匂わせている。小泉と小野の密接な関係が窺われる。

 

 

西川「ふう~ん、そんなことがあったのか~」

持「私もその場にいましたが、ゼーリック以下選対顧問団の要求は、アメリカのギャングの親玉達が日本の中小ヤクザを脅しあげている図そのもので、鳥肌がたつほど恐ろしかった。米国側出席者で本当によかったと思いましたよ。」

西「しかし、連中の姿勢は戦争そのものだな?」

持「そりゃそうですよ(笑)ブッシュも選対顧問団も戦争のつもりで乗り込んでいますから、アメリカとの間には日米安保条約がある!アメリカは唯一信頼できる同盟国だ!何て、ナイーブに思い込んでいるのは、日本人だけですよ。郵政民営化は、経世会以来の保守本流自民党議員を絶滅させ、自民党を米国が好いようにコントロールできる政党にするための最終戦争でした。だから、兵器以外は何でも使ったのです。」

西「そうか、全てはアメリカのシナリオ通りか・・・それにしても、郵政民営化法日本郵政会社法はわかりにくい法律だ。俺は社長になった今でもよく理解できなくて、国会で鳩山総務大臣に苛められているんだ」

持「そりゃそうですよ(笑)普通の日本人が理解できるわけないですよ!」

西「なぜだ?」

持「郵政民営化法は、細部に至るまで全て、ゼーリック率いる米国通商代表部(USTR)がアメリカの国益に最大限利用できるように設計したものです。世間じゃあ、竹中さんが設計したかのように吹聴しているが、100%アメリカが作ったんです。そして、全部日本語訳やコンメンタール(逐条解説)まで翻訳して日本側に、“これでやれ!”と投げてきたものですよ。だから、竹中さん以下日本側のプロジェクトチームがやったのは、その翻訳された条文や逐条解説を読んで理解しようとしただけです。だから、国会でも同じ自民党城内実郵政選挙で造反して落選)から追及されていたように、法案提出まで、竹中さんがゼーリックに会いに17回も行ってるじゃないですか?あれは、日本側の主張を述べに行ったのではなくて、チームのメンバーから出された質問や自分の疑問点を法案作成者に聞きにいっていただけなんですよ。」

西「郵政民営化法案も、郵政政局も全てアメリカのシナリオ通りか・・・」


西川は恐るべき真実を知り絶句した。

・・・・・続く